絵を買う際には?
— 2020年4月21日もちろん値上がりする場合もあるのですが、値上がりして儲かるというケースは、そうはありません。
「部屋に飾って楽しむためのお買い物でしたら結構ですが、値上がりばかりを期待されるのなら、おやめになった方がよいと思いますよ」と言わざるを得ない場合もあります。
もともと絵画の価格というのは、株とか商品相場で取り扱われているものと同じように、いろいろな人の思惑や、さまざまな社会的要因によって左右され、絶えず上り下りする投機性の強い商品なのです。
ですからやはり、本来は、ご自分の趣味や好みに従って、こつこつと買い進めていっていただきたいのですが、そうは言ってもコレクションしたものの価値が気になるのも、これまた人間の情かもしれません。
画商としてお話ししておきたいことは、作品の価格の推移が気になる方は、購入の際、お金を惜しまないで下さいということです。
よい絵を買うためには、ある程度のお金が必要であることを覚悟してほしいのです。
「安物買いの銭失い」とならないよう、少し高いなと感じられても、その作家がもっともよい作品を描いていたといわれている時期のもので、かつ多くのコレクターたちがほしがるような作品、その作家の中の傑作といわれる作品、ないしはそれに近い出来の作品を購入されることをお勧めします。できれば高くても、今現在、世界の市場で通用している作家の作品を買うことです。
私は、画商の仕事というのは、単に絵画を売るだけであってはならないと思っています。絵画と一緒に、画商自身を、つまり自分が備えている知識だとか信頼感、そして審美眼というか、作家が絵画を通して表現した美を客観的・適正に評価する力を買ってもらう仕事なんじゃないかと思っています。
そのために、持っていてよかったと後々までお客様に喜んでいただけるような作品を提供すべく励んでいる今日この頃です。
実はこの画商の心構えは、美術品のコレクターだった父の言葉です。父からは多くのことを学びましたが、父とのやりとりは私の書いたエッセイ集「画商のこぼれ話」(作品社)に詳しく紹介してあります。よろしければご一読いただければ幸いです。
種田ひろみ著:画商のこぼれ話(作品社)
昨年上梓したエッセイです。大変好評頂いております。
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