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ジョルジュ・ルオーの作品

先日、NHKの日曜美術館で、ジョルジュ・ルオーの特集がありました。

ルオーは、敬虔なキリスト教徒で、生涯キリスト像を描き続けました。
敬虔ではありますが、教会には熱心に通っていなかったそうです。
しかし、教会に熱心に通っていなかったからといって、敬虔ではないということではなく、彼にとって、
キリストを描き続けることが祈ること(信仰)であったからといえそうです。

番組の中でも説明されていたことですが、
ルオーにとって、聖顔を描き続ること、つまり、同じものを繰り返し作る行為が、祈りであり、神との対話であった、ということです。

また、ルオーの作品の特徴として、キリストの顔の像が多いことがあげられます。
これも、同じものを繰り返し作ること=祈り、であったからだと思われます。
それらルオー作品には夕暮れ時のキリスト像の作品が多いことも特徴です。
これは、彼の描く構図と色彩について、夕暮れ=黄昏時=この世の終わり、を示唆し、一方で、光り輝くキリスト像=希望・救済、いった意味合いがあるのだと思います。
キリスト教絵画に見られる「光り」は、神を象徴するものとしてとらえられることが多いので、そのような意味合いも含まれている感じがするのです。
さらに、キリスト像のサイズが、人の顔の大きさと似たサイズの作品が多いことです。
これは、キリストが、人々にとって身近な存在=人々のそばにいて救いや希望を与える存在としてとらえられている、とも言えそうです。

ルオー calvaire
ジョルジュ・ルオー「calvaire」

このような宗教画以外にも、ルオーには、道化師を描いた作品もあります。
これも番組の中で説明があったことですが、道化師の中にキリストの姿を見出しからではないでしょうか。
つまり、道化師とは、世間的には蔑まれる存在だが、人を喜ばせなくてはならない存在であることに、キリストの姿をかぶらせたのだと思われます。
キリストも、生前当時は人々を救おうと全身全霊を傾けてきましたが、(彼に共感を得た人々もいたが)迫害されてきた存在であったからです。

ルオーの版画作品についても、番組の中で、山本容子さんがコメントされていたことがとても参考になりました。

ルオーの版画には驚くべき技術が見られるとのことです。
それは、
たとえば、ルオーの版画にある、面のような太い線に、まるで刷られたものではない、筆で描いたかのような微妙なタッチが感じられるということです。
これは、板に刻むその技術(くぼませ方など)が卓越していたからということなのです。

ルオー 悪の華
ルオー 「悪の華」シリーズより

現在、東京の汐留パナソニックミュージアムにて、ルオー展が開催されています。
絵の背景のある物語を知ると知らないとでは、楽しみ方も変わってきます。
これから見に行くつもりだったので、ルオー展がより楽しみになってきました。

開館15周年 特別展 ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ(東京・汐留パナソニックミュージアム)

尚、現在、弊社にて販売中のルオー作品はございませんが、ルオー作品の買取を致しておりますので、ルオー作品のご売却を検討されていらっしゃる方は是非お問い合わせください。
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